タイトル画像

スポンサーサイト

--.--.--(--:--)

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「のしろ(能代)日本語学習会」 活動日記



スポンサー広告 トラックバック(-) | コメント(-) | [EDIT]
タイトル画像

教室は寺子屋?

2010.09.15(06:53) 71

M子は、フィリピンの母親と日本人の父親との間に生まれた現在中学2年になる女の子。

二歳だったM子が母親と一緒に教室に来たとき、たちまちボランティアのみんなのアイドルになった。読み書きが一切できなかったお母さんは必死で学び、日本語能力試験3級合格までこぎつけ、日本語で車の免許を取った・・二歳から七歳頃までの5年間、教室に通っていた子供である・・・あれから何年経ったろう

一昨年、小学校で取り出し指導をしていると、廊下からこちらを覘く子供がいる。誰だろうと顔を上げると「先生、しばらくです・・私のこと覚えてる?」・・・小学6年生になったM子だった・・
国語の成績が悪いことや、社会が苦手な事などを話し「私も、もう一度日本語教室に行きたいな~・・」と呟いた。「いつでも来なさい。色々な人達が居て勉強も教えて貰えるから・・待ってるからね」・私の名刺を渡した。

昨年、携帯電話に大泣きしているM子の声が聞こえた「どうしたの・何があったの・何処にいるの・」泣きながら居る場所を教えてくれたM子に会うために車で走った。

母親とケンカをしたというM子を落ち着かせてから・・話した「貴女は、母親にとても愛されていた・貴女のためにお母さんは必死で日本語を学んだ・・お母さんは日本語スピーチコンテストで優秀賞をもらい、その当時の新聞を持っている・・今のお母さんは、貴女よりは日本語は上手ではないかもしれないけど、誰にも負けない頑張り屋だから、私は貴女のお母さんのこと好きだよ・・」

ジッと話を聞いていたM子は「今のお母さんは、PCの前に座ってメル友(男)と一日中話している・・私の顔も見てくれない・・お父さんも、おばあちゃんも何も言わない・・私が言うと怒って部屋から出てこない・・、お母さんが何を考えているのか分からない・・日本人じゃないから私の気持ちが分からないんだ」

結婚して15年ぐらい経つ夫婦には色々なことがある。M子は、母親に似て真面目で一途な子供だからこそ、母親の行動を許せないのだろう・・すがる気持ちを、幼児期に過ごした日本語教室の私に訴えた・・

「分かった・・一度お母さんに会って話してみるから安心しなさい・・ずっと日本で必死で生きてきたからチョット疲れたのかもしれない・・でも、貴女達のことを嫌いになったりするお母さんじゃない・・それは先生が一番知っている」・・・何人の子供達とこんな風に語ってきたことだろう・・

子供達が大人になる過程で通過しなくてはいけない試練だとしても・・母親が日本人ではないことは、普通の家庭と違った環境である事は確かだ。しかし、悪者になるのは常に母親だ(文化が違う国で育った人が日本社会に順応できないからといって、責任を全て押しつけるのは理不尽だと思う)

暫くぶりに一緒に飲もうと連絡し、母親のIさんに会った・・昔と変わらない真面目で綺麗な彼女だった
ワインを飲みながら単刀直入に聞いた「日本の生活に疲れた?貴女とそっくりなN子は、母親が大好きだからこそ全てを見ている・・あの子は母親のPCを全て覘くこともできる年齢になったんだね・・家庭を捨てる気でメル友にのめり込んでいるのなら、半端なことは辞めなさい・・貴女は真面目だから遊びはできない人でしょう・・」

堪えていた思いがあったのだろう・・メル友がフィリピンの男性であることや、夫との関係が上手くいかないこと娘達が話す日本語が理解できなくなっている自分に孤独感があることなど、泣きながら話してくれた。最初に教室に来た頃と変わっていない彼女だった・・子供を捨てようなどとは思っていないことが分かった(葛藤はあったようだが・・・)

娘に悟られるなんて下手だね~・・もう少し上手にやりなさい。メル友と話して気持ちが安まるなら、それも良いと思う・・でも、日本語が理解できないとき、おばあちゃんが居てくれたからM子がきちんと育ったと言った貴女でしょ・・その子が、おばあちゃんと母親の狭間で苦しむのは貴女の本意ではないよね・・

これが外国から来たお嫁さん達が乗り越えなければならないハードル?・・日本人には決して見えないハードルかもしれない・・しかし、人が生きていく過程で、あり得る課題でもあると思う(日本人も、同じような問題で苦しむ)

先生と飲んでスッキリした!!・アリガトウ・・・そう言って帰っていった彼女・・私が誘ったので私の奢りにしたが、次の日、彼女が働いている工場のトイレットペーパーが、家に入れないほどの多さで置かれていた・・一年分?(苦笑)

M子は、今も教室に来ている・・わかんないことがいっぱいあるそうだ・・母親の愚痴はもう言わない・・
「英語のスピーチコンテストに出ないかと先生に言われたけど・・どうしようかな~」と聞くので「参加しなさい
チャンスは掴むもの・・自信がなかったら教室に来ているALTに特訓してもらいなさい、悩む必要なし」とアドバイスをした。

先日M子は、英語のスピーチコンテストで優勝した(中2年なので県大会出場にはならなかったが)
教室のみんなでお祝いの拍手と、協力してくれたALTにも御礼の拍手をした。

お母さんが泣いて喜んでくれたよ・・・そう、貴女のことが大好きなお母さんだもの当たり前でしょ
日本語のスピーチコンテストで県知事賞をもらったお母さんだもの・・貴女はその子供・・ガンバッテ高校も合格しようね

だから教室に通って勉強してるでしょ・・・口の減らないガキなどと、はしたない事は言うまい(笑)

日本語教室って「寺子屋みたいな所」なのかと、改めて思う。
教室があるから、この子供達は救われている・・・無くしちゃいけない場所

住みよいまち作りは、難事件を解決する町ではなく、普通に生きられる環境を作ること・・特別ではない場所にこそ、問題を解決する糸口があると思う・・

M子が真っ直ぐに成長しているのは、親や周りはもちろんだが、教室のみんなが我が子のように可愛がってくれた経験を持っているからだと思う・・だからこそ教室に戻ってくる

仲間に感謝したい



スポンサーサイト

「のしろ(能代)日本語学習会」 活動日記



2010年09月15日
  1. スポンサーサイト(--/--)
  2. 教室は寺子屋?(09/15)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。