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「のしろ(能代)日本語学習会」 活動日記



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生きる!

2014.12.28(11:04) 343

高校一年生のY君と久しぶりに会った

母親(中国)の結婚で小学1年の時来日したが、小さいから言葉は簡単に覚えるとの周囲の判断で日本語指導者は配置されず、一年半で不登校になり寄宿舎のある中国の学校へ戻された。

彼が、再び日本へ来た時、小学4年生になっていた(親の判断で翻弄される子ども・)

教科学習に付いていける日本語指導をして欲しいとの学校からの依頼で、Y君と初めて会ったとき、日本人は信用できない・・という眼をしていた。
しかし同時に・・再び母親と暮らす生活に戻った彼にとって、日本語の習得は生きることと直結していると感じた

「もう・中国へ帰りたくないよね」と聞く私に「一人きりで生活するのは寂しい。前に来たときは友達もできず泣いてばかりいた。ボク・・日本語を覚えたい」・・・(私は中国語が話せるので、この時の会話は中国語・)

それから5年・・Y君には、基礎から徹底的に日本語指導をした。
「このくらい話せるようになったら、もう日本語指導などいらないのでは・」と言う教師の言葉にも、論理的に日本語指導の必要性を訴え続けた。「もう一度彼を帰国させるつもりですか?」という脅しも時々使って・・(苦笑)

異文化をルーツに持つ子供は、障害者ではない・・日本語指導者は、そのことを自分自身に叩き込む必要がある。
「このくらい話せたらいいんじゃないですか?」という言葉は、異文化をルーツに持つ子どもへの「差別用語」・・・
「日本人でも分からない子どもはたくさん居るのですから・・」という言葉も「差別用語」

私自身のポリシーだ・・・・

日本語指導者は、成果を確実に提示できなければ学校の評価は得られない。
「子どもに学ぶ意欲がない、子どもがやる気を出さない」・・・
日本語指導の未熟さを子どものせいにすることは、結果的に学校から日本語指導者を排斥することにつながる・・・それが教育現場の現実である。


確実に日本語指導の成果が現れ、友達もでき、教科も理解できるようになったY君・・・・日本人の義父は「自分には過ぎた息子だ」と、とても可愛がり、中学2年の時「帰化」できたY君。
昨年春・・希望の高校に合格したと、彼から電話をもらった時・・・「あーこれで私の役目は終わった」・・と思った。


「Y君の両親が離婚する!」との情報が入った。
居ても立ってもいられず、Y君の家に電話をしてお母さんと話した。
離婚理由は聞いても仕方がない・・・Y君をどうするのか・・聞いた。
中国へ連れて帰りたいが、本人の気持ちが分からない・・「先生になら、話すと思う」と言われ、Y君と会うことになった。

一年ぶりに会ったY君は、サッカー部に所属・・・「マルコメ味噌」のコマーシャルに出てくる子どものような丸顔のY君は、引き締まった顔のイケメンになっていた。人なつっこい笑顔は相変わらず・・

「美味しいものを奢ろうか?」・・・・・「アー嬉しいです。最近、あんまり食べていないから・・」

幼いときから人に頼らない生活をしてきた彼は、甘えることがほとんどない・・・・「大丈夫です」が彼の口癖・・・
そんな彼に、小学生の時言ったことがある・・・「私が奢ったりプレゼントしたものは、大人になったら返してもらうように帳簿につけておく、だから遠慮しないで受け取りなさい」・・・それから・・・笑って甘えるようになった彼・・・・

彼は・・自分の気持ちを話してくれた。
「今、母と一緒に中国に帰っても中途半端になってしまうのでボクは帰りません。義父も先生も大学へ行けと言ってくれますが、離婚原因は母にあるので、これ以上、義父に負担はかけられません。ボクの希望は消防士です。人の役に立つ仕事がしたい。義父のお陰で日本人になれたので公務員試験が受けられます。頑張って勉強するから大丈夫です。今はみんなの世話になるけど、大人になったら返していけばいいんですよね・・。厳しい先生から日本語を教えてもらったから今のボクが居る・・感謝しています」


日本語指導者の仕事は甘くない・・・時々・・イヤになることもある。
しかし今の日本で、異文化の子供達を守ることができるのは、日本語指導者であり日本語教室しかない・・・
国際化を唱える人はたくさん居るが、国際化の現実と正面から向き合う人は少ない。

日本人として、一人の人間として、子供達と向き合える大人でありたい・・

改めて・・そう思った。



なんか食べたくなったらいつでも連絡しなさいね・・・・「はい、お願いします!」と笑顔で答えるY君・・
不覚にも・・涙がこぼれた・・。



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