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「のしろ(能代)日本語学習会」 活動日記



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学ぶ・・ってどういうことなのだろう

2011.02.15(06:09) 126

昨年から、現在小学4年生になったフィリピン国籍のM子へ週1回の取り出し日本語指導を行っている・・4年前、母親の結婚で呼び寄せられた6歳のM子に、日本語指導者は配置されなかった。理由は、積極的で明るい性格と、何にでも好奇心がいっぱいの彼女なら、自然に日本語を覚える・・と学校に判断されたそうだ・・


小学3年生になり好奇心いっぱいの彼女の行動は、落ち着きのない集中力に欠ける子と評価されるようになった。
当然、成績が悪い・・・担任は性格的な問題を指摘したが、日本語指導をしなかったことに原因があると答えた私に、それなら取り出して日本語指導をとなった・・(ボランティアをせざるを得ない状況・?)
・・


日本語指導をしているときM子が言った「私、日本語のイロハの歌覚えたよ・」・・「イロハの歌ってどんな歌なの?・・歌ってみて」と私・・・
M子は歌い出した・・・「イロハニホエ~、イロハニホエ~・・ラララララ~」・・

何それ?
彼女が歌ったのは、ハワイアンメロディーの「アロハオエ」・・別れの歌だった
その歌の「アロハオエ」は、ハワイ語で「さようなら」っていう意味だよ・・と教えると

エー・・だって日本語でイロハニホヘトって言うでしょう・・その歌でしょ・・
アロハオエ→イロハニホヘ・・・なるほど・・そう聞いたのか~(思わず笑ってしまった)

誰かに聞いたの?・・「誰にも聞かないよ、いつも自分で考えるんだから、テレビを見てそう思ったんだ~」・・
好奇心旺盛なのと自分勝手に解釈するのとは意味が違う・・

日本語指導者がつかないまま過ごした学校での3年間・・・・一見ペラペラと話すように見える彼女の態度は生意気に見える・・しかし、使う言葉は幼稚園レベルの日本語だ・・・3年生になると国語の教科書に丁寧な言葉という学びがある→やっちゃった(してしまいました)、行こう(行きましょう)、飲めって~(飲んでください)
イヤだ(~ません/~たくありません)

アーわかんない~どうしてこういうの勉強するの・・みんな誰も丁寧になんてしゃべんないよ~
じゃ、どうしてみんなは、話さなくても答えを書くことができるのかな・・私もそれが不思議なんだよね~と言うM子・・・日本語話者にも学校の教師にも、このM子の不思議さは理解できないと思う・・

子どもが、しゃべらなくても学ばなくても最低限の丁寧な言葉で答えられるためには、親が日本語話者であることと子どもの置かれている言語環境が大きく左右する。

年寄りや近所の人たちと話す大人の言葉は、自分たちに向ける言葉と違うことを生活の中で会得しているのが、日本語を母語とする子供達・・親の母語が日本語ではなく親の友人も日本語話者ではない環境の場合、子どもが自然に会得するのは困難だ・・・子どもが時々間違えるのは御愛嬌ですまされる。しかし何度教えても間違えるのは障害者だ。

日本語習得環境の重要性が理解して貰えない場合、外国から来た子供達は障害者か本人の性格的な問題として処理されてしまう・・・父親が日本人でしょう、協力してもらえば解決することでしょう・・と言う人に聞きたい・・

貴女の夫や父親は、自分の子どもにどれほどの関心と興味と協力をしていますか?・・子どもの短所は、全て母親の育て方に問題があると言われていませんか?・・・それが現実なのだ


M子は「分からない」とは言わない・・まだ勉強してない所だと思う。やったところだけどチョット忘れている状態なの。考えたら分かると思うからそこは後でやるから説明しなくても大丈夫だよ・・・かたくなに自分で解決しようとする・・
「分からない」って言うことは恥ずかしいことではないと思うけどな~・分からないから勉強したり教えてもらったりするんでしょう・・・そう言った私にM子は言った

「教えてくれないよ・・そんなことも分からないのかって言われるもの・・みんなに迷惑かけるから」

ハッとした・・そうか・・この姿勢は、M子が生き延びるために会得した知恵だったんだ・・・

「でも、今度は、分からない日本語や間違って覚えていた日本語を勉強できる時間ができたでしょう・・分からないことを、一人で答えを出さないで、どうしたら分かるようになるのか一緒に考えよう・・手伝うからね」

しかし、チョット下を向いて言った言葉に唖然とした「私は色んなことが分かるから良いなーと思うけど・・ペラペラ日本語を話すのに、どうして今さら日本語を勉強するのかって担任の先生が聞くんだもの・・私より日本語が下手な人はいっぱい居るって・私より頭悪い人は居るのにどうして私だけが勉強するのかって言われるの・・・」

これが実態なのだ・・外国人と障害者は違う・・日本語が下手な人と日本語が母語ではない人とは違う・・
中々理解して貰えないのが現状がある

私に取り出しを依頼したのは学校長だ・・「学校での取り出し日本強を止めようか・・M子が嫌な思いをしたり、いじめられてまで日本語指導をしようとは思っていないよ。どうする?意味が分からないまま、授業に出ても困るのはM子だと思うけど・・貴女が決めた方向で手伝うから・・」

私は、時々こういう選択を迫られる・・・・日本語指導で一番の関門は教師との対応である。しかし、子どもとはきちんと話すことにしている・・・こちらだけの判断で動かない。日本語の学びは、自分がやると決めなければ、押しつけにしかならない・・それは決して良い結果を生まないからだ・・

M子は日本語の勉強をする方を選んだ・・それを決めた子どもへのイジメは許さない・・・担任と、もう一度日本語の学びの意味と、国籍が日本ではないことなどきちんと話した・・国籍が日本ではないことさえ知らなかった教師は、改めて理解してくれたようだった(苦笑)

1年経ち・・ようやく心を開き始めた。きっとたくさんのことを聞きたかったんだと思う
勉強の成績はどう?成績は落ちてる?と聞くと・・大丈夫だよ・・前より解るようになったもの・・

それでも・・アロハオエがイロハオエ・・なのだ(笑)・・このM子の明るさが・・私は好きだ

今年は5年生になる・・もっと難しい勉強が待っているが、教えたことには食らいついてくる姿勢がこの子の良さ
中学に入るまでに覚えることはたくさんあるけど・・日本語の勉強をするって決めたのは自分だものね

一週間に一回のボランテイアでしかできない学校での学びの時間だけど・・校長先生も理解してくれるし、学校全体が日本語の学びの時間を受け止めてくれるようになってきた・・

これは日本語指導者だけの力ではなく、貴方達が学ぶことで、活き活きと学校生活を送っているのを実際にみせてくれるから・・理解して貰えるんだと思う

学ぶって・・面白いことをたくさん発見できることなんだけどね!・・・「先生、ちょっと教えて・・覚えたんだけどチョット聞いて下さい」・・私を迎えてくれる

最近は、一瞬、間をおいて丁寧形で話すようになりました・・やればできるんですよね!
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